「御馳走様でした。とても美味しかったです。」
「やっぱり思春期の男の子の食欲はすごいわ。ご飯も何もかも空っぽだわ♪」
「すみません。美味しかったものですから。」
「いいのよ~♪ちょっと休憩していったらー?いっそう、泊まってく?」
母はムチャクチャなことを言った。
「お母さん!翔也を困らせないでよ。」
「あ、ごめんね。翔也くん」
母は照れくさそうに言った。
翔也を家に帰すことにした。
「大丈夫?帰れる?」
「うん。ありがとう。」
翔也がちゃんと帰れるか心配だった。明日、もし会えなくなったらとか思うと気が気でなかった。
そんな気持ちが顔に出ていたのか、
「大丈夫。絶対どこにもいかない。信じて、柚香。」
真っ直ぐな君は、やっぱり安心する。
「信じてるよ、ずっと昔から。」
「………〃」
帰って行く翔也の姿をジッと見ていた。