「送ろうか?」

翔也がそう言った。私は驚いて、しばらく沈黙していた。

「変…だった?」
翔也の言葉にハッとして、
「ううん!ありがとう。すごく嬉しい。」
「………〃」

部活が終わり、私は翔也と一緒に帰った。

誰かと帰れるというのが嬉しくてたまらなかった。

「どうしたの?嬉しいことでもあった?」
私はずっと微笑んだことに気づき、少し恥ずかしくなった。

「うん…。私、誰かと一緒に帰れたのって初めてだから。翔也とが初めてだよ。それが嬉しくて……。」

一番会いたかった人、一番大切な人と一緒に帰れるだけでも嬉しいのに、初めてだから余計嬉しさがつのる。

「そっか…。俺がずっと一緒に帰ってあげられたら、柚香は寂しくなかったのか…。」

「え……。」

翔也も自分が言ったことに気づいたのか、すごく恥ずかしがった。
「ごめん…。勝手なこと言って…。」

心配そうな顔でこちらを見たので、私は微笑んだ。

「謝らなくていいよ。私、感謝してるもの。」

「そっか……〃」

翔也の頬は赤くなっていた。






「もうここでいいよ。」

「最後まで送るよ?」

「ううん。大丈夫。これ以上暗くなるといけないし…。あ、そうだ!」


「………?」