「離せ」と言って甲斐くんがこっちに来る 捕まれていた手が緩んだ ―今すぐに甲斐くんのもとへ… 「甲斐の所に行くのはどういうことか 分かってるよな、篠崎」 どうする? 「…いいよ。あたしがしたことは消せない」 甲斐くんがあたしの手をとって 「帰ろう」と言った ドアに近づいたとき 「小宮、この話はまた今度」と それだけ言ってドアを閉めた