「……見てどうする」 「………お願い」 甲斐くんがYシャツのボタンを一つずつ外していく あたしは一歩ずつ甲斐くんに近づいていく 窓の外を見る甲斐くんの 後ろに立つ 「脱ぐぞ」 「…うん」 半分だけシャツを脱いだ後ろ向きの甲斐くん 右の肩にはあの傷 ちゃんと見るんだ 右手で傷をなぞる 「………痛かったでしょ?」 「いや」 「………ごめんね」 「もう言うな」 「言わせて」