陸上部の部室 ノックしたけど返事がない ノブを回したら開いた ―ほら。いた 「甲斐くん」 「―ん?」 「なに見てるの?」 「空」 窓際の甲斐くん ドアに寄りかかるあたし 「火傷しなかった?」 「ああ」 甲斐くんがあたしを見ない 左手でドアの鍵を閉めた 「……甲斐くん、あたし 甲斐くんの彼女になりに来た」 「……傷、見せて?」