「もしかして、学校中探したの?」
「え?まぁね」
また笑う。
なんだろう…笑ってる?
いや、笑ってるんだけど、笑ってるんだけど
なんか
笑ってない
「夜女さんって、桜鬼族の総長さんなんだってね!」
「あ、うん」
「同じクラスの女の子に聞いたんだけど学校のほとんどが桜鬼族って聞いてびっくりしちゃった!」
「…」
「だから俺、総長さんにいけない事言っちゃったんだって思ってさ!」
ペラペラ喋る。
笑いながら。
まるで言葉が出てきて止まらないみたいに
笑いながら喋ってる
「ねぇ」
「ん?」
ピタッと終わる話。
馬場くんは沈黙が嫌いみたい
なにか話さなきゃみたいな焦りがすこしみえた。
「ヘラヘラ笑わないで」
「っ…」
?
ビクッとする肩。
あたし、そんなビビらせること言ってないよね?
