社宅アフェクション

「しないなら、このテープを──」
「大陸に関しては、俺の方が一歩リードしてるって気付かねぇの?」


考え始めたバカ真綾を見ながら話を進める。


「なんで昼休みに文系棟に行ったのか。大陸と朝、約束してたんだ。お前と蒼空には内緒にしてくれとも頼まれてた」
「私らには内緒……?」


真綾はまだ、考えている。


「部活に入りたいこと、俺だけに相談したんだ、大陸は。お前らには知られたくないってさ。ここまで言えば分かるよな、意味」
「あ、あの……」


これで最後だ。


「大陸は最初から、俺を選んでんだよ!真綾、
お前じゃなくてな」


真綾が固まった。
その隙に俺は携帯を取り上げ、録音音声を削除した。