私は松夫こころ。

生まれてから間もなく物心がついた頃には大人の中にある闇と言う物を知ってしまった。

私の母親は外面いわゆる世間体でも良い母親。

家の中でも夫に仕える
良い母親。

貧乏な暮らしに文句ひとつ言わずいつでもニコニコしていて笑顔絶やさない良い母親。

でも私だけは母親の全てが心にある誰にでもあるはずの闇を知っていた…

父親はまだ私が幼稚園に上がるまではあまり家に居た記憶がない。


勉強もできて公務員免許を取得後努力家な母親は美人な顔とスタイル抜群な上に家事まで完璧にこなし私が男だったら大事にするのに父親は知らない女と遊んでいる様子…

小さいながらにそれぐらい出て行く父親の背中をまるで悲劇のヒロインのような目で見つめている母親を見れば一目瞭然だ。

何度か父親にもうどこも行かないでと止めた覚えが何度かある。

母親は私と二人きりなるといつも嘆いていた。そんな嘆いている母親の顔の表情から私は闇と言う物を知っていった。

そしてこっそりと自分の心の中で誓いをした。母親の中にある闇を綺麗に…

楽天的に…

毎日が楽しくあれ…

そして母親の期待に期待されない程度に頑張ろう。

父親を軽くいじって母親を大事にしてもらおうと。

この家に闇なんてあってたまるかと力強くこっそりと誓った。

後もうひとつ…

私は自分の中にあるかもしれない闇を消してしまおうと…

ここから私の本当の
人生が始まった気が
する…