トクン―――……
――――……あれ?
なんだろう…この感じ。
心臓の奥があったかいってゆうか…すごく優しい気持ちになる。
俺は、この感覚を知ってる。
7年前に1度だけ経験してる。
そう……これは………恋…?
――…ドクン!
「………」
そう感じた瞬間、俺の思考回路は緊急停止。
今まで日向に触れていた手も行き場をなくして固まってしまった。
あぁ…やばい。
俺、なに考えてんだ?
よりによってこんな時に。
俺と日向の距離。
プラマイゼロ。
そう、完璧に密着状態だ。
ドクン…
ドクン…ドクン…ドクン
「…ナオ」
「……ん?」
急に名前を呼ばれて、体は飛び跳ねそうになる。
それを必死に我慢してなんとか冷静を装って俺は短く応えた。
日向はゆっくりと体を離すと、俺の顔を覗き込んだ。



