るみは、遠慮がちに俺を見上げた。
「・・・・・・あんた、怖いから」
は?
怖いだって?
「ちょっと、もう一回やってみて」
「ええ?」
あからさまに嫌な顔をした俺に、るみはズンズン迫ってきた。
こ。こえー
―――――――
―――・・・
「ダメだわ、こりゃ・・・」
「ナオ・・・ほんとに普通に笑えないの?」
机に突っ伏して頭を抱えるるみ。
その横に立って、日向は大きな瞳をさらに大きく見開いている。
「気づいてないみたいだから言うけど、ナオの笑顔は笑顔に入らないよ。
なんてゆーか、言葉で言うなら、
“にやり”とか“ニカッ”みたいな?
あたしがほしいのは、笑顔なの!
にっこりってゆー・・・・天使の微笑みなのよー」
るみはそう言うと両手を上に突き上げた。
「ナオって、眉間に皺寄せる顔は得意だもんね」
日向も、腕組みをして真剣に悩んでいた。
・・・おいおい。お前ら、失礼だぞ?