公園のベンチを見ると、もうそこには誰の姿もいなくなっていた。
俺の目線に気付いたるみは、少し首を傾げて俺の顔を覗き込んだ。






「もしかして、見られてた?」


「・・・・・」




ズバリ当てられて、俺は気まずくなった。


やっぱ帰っとくんだった・・・




「・・・そか」




小さく微笑んで、はぁと溜め息をついたるみは俺の横に腰を下ろした。




「あいつね。彼氏・・・や、元彼か。・・・ハハ」





そう言って前髪に手をやったるみ。


俺はそれをただ、黙って聞いた。