あの雰囲気・・・


なんか、深刻そう・・・。




・・・とは言っても、俺にはなんの関係もないわけで。

つか、関わりたくない!





ますます意味がわからず、壱矢に視線を戻す。




「・・・・ほんとに、何なんだよ・・・・・」







・・・・あれ?




壱矢?



――――?










「・・・・・っていねぇーし!!」











今でたしかに隣にいた壱矢の姿が見当たらない。



あいつ・・・どこ行ったんだ!?



周りをキョロキョロと見渡すがその姿をとらえることは出来なかった。

もし、まだその辺にいたなら、あの壱矢の長身だ。
すぐに見つかるはずなのに・・・

壱矢は見つからなかった。




あのヤロー・・・・




イライラする気持ちを抑えて、冷静に考える。





先に帰ればいいんだ。



そう、できることなら。





今年の秋に引っ越してきたばかりの俺は、まだこの辺の地理に詳しくなかった。

だいたい、ここから東の方なんだろうと言う程度。





もしかしたら、近くのコンビニにでも行ったのかもしれないな・・・




それなら、下手に動かないほうが賢明だ。




俺は一人でそう納得して、壱矢が戻って来るのを待つ事にした。




でも、後になって、帰っておけばよかったと後悔する事になる。