今まで、父さんの仕事の関係で転校を繰り返してきた。


高2で転校とかありえないし。


俺は、明日から女として通わなきゃならない事を思うと憂鬱でならなかった。



「行ってきます」

「行ってらっしゃ~い」



眠い目を擦りながら玄関を出た俺を、母さんがニコニコと見送る。
もちろん、女子の制服に身を包んで。



ったく・・・

なんで楽しんでんだよ・・・





紺色のブレザーに灰色と赤のチェックのスカート。えんじのネクタイは恐ろしい程似合ってしまう。


今日から通う、第二星創高等学校までは歩いて20分の距離にある。



俺は歩きなれない道を見ながらゆっくり歩く。


やたらと大きな校門をくぐるとまだ新しい綺麗な校舎が現れた。


都会の中で、この学校の敷地内にはたくさんの緑があるようだ。

俺はまっすぐ続く道をうつむきがちにあるいた。



はぁ…バレませんよーに。