俺はちらりと壱矢を見上げた。

丁度、壱矢の口元に俺の目線。
なんでコイツはこんなにでかいんだ?


「ん?」


俺の視線に気付いた壱矢は首を傾げた。


男の俺が見ても、壱矢はモテるだろう。


俺はなんだか妙な敗北感に襲われて、鳥肌のたつ腕をグッと押さえた。




「なんだよ、ナオ~」


「うわっ・・・やめろっ!」



壱矢は掴んだ肩をさらに引き寄せて、俺の頭をガシガシ触った。




そんな俺達の姿が、誰かにじっと見られてるなんて、その時は気付きもしなかった。