「……っク……」


小さな嗚咽が聞こえ、日向は俯いてしまった。
手の甲でその瞳を抑え、次から次へと溢れる涙を拭っている。




「ひな……」


「…………だ……」




俯いた日向から、消えちゃいそうな声がして。




「え?……なに?聞こえない……」




俺はもっとよく聞こうと
顔を覆っているその手首をそっと掴んだ。







真っ赤に染まる頬。
涙でぐちゃぐちゃの顔。



ドクンッ



その顔を見た瞬間、何かで後頭部を思い切りたたかれたみたいな衝撃に襲われた。




「……ひな……」



そう言った俺の声も、震えていて。
自分で驚いた。







そして聞こえたんだ。





「……き、なの……」





え?