いきなり、賑やかだった室内に響く声。
何事かと顔を上げると、このクリスマスパーティの主催者、前田がニヤニヤして何かを指をさしていた。
なに?
そう思って首を傾げると、みんなの視線が一斉に振り返った。
は?
「え、な……なんだよ」
ザワザワしてる中で、クスクスと笑い声も漏れる。
「なんだよー、俺らの目ぇ盗んで、ふたりイチャついてんじゃねーよ!」
「はああ?」
アホくさ。
なにかと思えば、前田が指差していたのは俺と壱也。
たしかに、もし俺たちが男女なら、こうしてみんなの輪を抜けて話をしてるあたり疑う奴もいるのかもしれない。
でも俺らは……。
「アツいアツい! みんな熱くね?」
前田の声に、みんななぜか一気にヒートアップ。
嫌でもあのミスコンを思い出す。
鬱陶しくて思わず「チッ」と舌打ちをしてまう。
――――……そして。
「あにすんだよ!……さみーじゃんッ」
あれよあれよという間に、俺と壱也は窓の外、庭へ追いやられてしまった。
「勝手にイチャついてた罰ー!」
「ぎゃははは」
あったかそうな窓の向こうで俺たちを指差して笑う、前田達。
たぶん、冷やかしてるだけなんだろーけど……。
「うぜぇ……」
眉間にシワがよる。
ハハーンって感じで目を細めて口をクイッと持ち上げた俺の肩に、壱也が手をかけた。
「コラコラ。んな可愛くない顔しちゃダメでしょ」
「あ?」



