「お邪魔しまーす」



勝手知ったる、なんとやら。
るみはそう挨拶をすると、あったかそうなモコモコのスリッパをはいて、サッサと家の奥へ進んだ。

その背中を眺めてから、俺は靴を脱ぐと同じようなスリッパに足を突っ込んだ。



「……ふたりで来たの?」

「は?」



唐突にそんな質問をされて眉間にシワをよせる。



「そうだけど……なんで?」



だって、別に興味ないって言った俺をるみが家まで来て、無理矢理引っ張って来たんだから。



そういった俺を見て、壱也は肩をすくませると「なんでも」とだけ言って先を歩き出した。



なんだよ……。




小さくため息をこぼすと、俺もそれに続く。





リビングらしいその部屋にはすでにたくさんのクラスメイトが来ていて。
女子も男子も入り乱れていた。


全員来てる?
にしても……20人以上入れるこの部屋って……。


壱也って何者?



すでに他の人に囲まれてる壱也。
俺はくるりと周りを見渡わたした。





……あ。


いた。




……日向。




日向も他の奴に囲まれてて、楽しそうに笑ってる。



「……」



俺が来た事なんか気づかない日向。


……なんだよ。