夏が終わり、ようやく秋らしく街が色づきだした今日この頃。



咲坂(サキサカ)家では咲坂ナオの悲痛な叫びが響いた。





「はあぁぁぁあ!!?」



開いた口が塞がらない。





「ほんっとごめん!ごめんね」


「どぉゆう事だよ!?」


俺は、顔の前で手を合わせている母親を睨んだ。


「母さん、ナオの転入届けにうっかり女の方に○うっちゃって……
学校側も、ちょーど女子の枠しかないって言ってね?……そ、それで…」



「うっかりって……まじでありえねぇし!」



バンッ

力任せに机を叩いて、問題の転入届けに視線を落とした。




「普通無理だろ!男子が女子の姿で学校に行くなんて、バレるに決まってんじゃん!」





確に咲坂ナオの隣の欄には性別・女に○が打ってある。


こんなのって…



こんなのってねえぇぇええ!!!