さて、当日。
買った服をきて、髪を結んで。
ほんの少しだけオシャレというやつをやってみて、鏡の前に立つ。
「え...」
似合わない?
なれないとこはしない方がいい。
そう思った。
とりあえず、髪は下ろそう。
服は流石に変えられないので、これでいいだろう。
調子に乗るものではないとつくづく思う。
そして待ち合わせ場所に行く。
5分前。
待たせてない。
よし、その2分後ぐらいに2人は来た。
「お、紗羅服かわいいー!」
美咲が大はしゃぎで抱きついてきた。
でも私からしたら2人の方が...,
あぁ、やっぱりオシャレだなー。
とくに彩音は学校でもオシャレだと噂されてるぐらいだからすごく綺麗だった。
お化粧してる。
こんな女の子になれたらいいのに。
世の中にはこんなに綺麗な子が何万人といるのに。
自分はほんとうになんでこんなんなんだ。
「紗羅、髪アップにしたらいいのに。せっかく可愛い服着てるんだから。」
彩音はそう言ってカバンからポーズを出し、ゴムを取り出した。
そして早々と私の髪を束ねる。
いわゆるハーフアップというやつで、団子にしてくれた。
「ほら、こっちのほうがかわいいよ。」
鏡を差し出され、そこに映る自分を見る。
これが自分?
さっきとは違う
あれ?何が違うのかな?
「うわー!紗羅かわいい!」
「え...あ、ありがとう...」
何というか、くすぐったい気持ちだ。
「2人も...すごくかわいいよ...」
恥ずかしくて俯きながら言う。
反応がない。
まさか不愉快にさせた?
そう思い恐る恐る顔を上げると、2人は驚いたような顔をしてい。
そして
「もぉ!照れるじゃん!」
と軽く叩かれた。
あ、不愉快にさせてない。
よかったー。

その日、買い物をしたり、ランチをしたり。
久々の感覚がとても嬉しくて心地よかった。
無理のない関係。
言いたいことが言える関係。
2人から放たれる言葉はどれも優しい言葉だった。
こういう関係を作りたかった。
ちょっとずつその関係が出来上がって行く。
いや、そうやればいい。
こんどはもう失いたくない。
「あのね...」
伝えたい。
2人に伝えたいから。
「ん?」
2人はちゃんと私の顔を見てくれる。
「私...もっと2人と仲良くなりたい!」
少し間が空いた後。
「「当たり前じゃん」」
と返ってきた。
本当の友達になりたい。
大切にしたい。