怖いと思いながらも、2人といる時の私が自然と笑えていて、その瞬間がとても幸せで。
手放したくないと思うからこそどうしたら2人を傷つけないかを考えてながら生活していた。
でもそんな私をみて2人はいつも
「普通でいいよ」
と言ってくれるのだ。
でも、あの時だって普通にしていたはずなのだ。
なのに消えてしまったのだからそれは間違えなのだろう。
私は、この2人の幸せのために変わらなくてはならない。
そう思のになにもできずにいる。
結局、自分の無力さしかわからないのだ。
どうしたらよいか。
考えれば考えるほど2人から離れることしかわからなくなる。
でも、2人といっしょにいたい。
私はどうするべきなのだろうか。

「紗羅、こんど遊びに行かない?」
美咲からの誘いだった。
「そういえばまだ遊びに行ってないもんね。」
「...」
これは行ってもいいのだろうか。
私が一緒にいて不愉快にさせたりしないだろうか。
グルグル回って考えていると
「紗羅のこともっと知りたいしね。」
私も知りたい。
うん、勇気を出して行ってみようか。
もし不愉快になったらその時は今度こそ2人から離れたらいい。
そう思い2人からの誘いを受けることにした。

そして、約束の日の前日。
中3のときからもっぱら遊びに行っていない私にとって大事件だった。
「服が...ない...」
こんなダサい服で2人と歩いたら2人に迷惑かけるかもしれない。
普段は制服だから特に問題ないが、流石に遊びに行くのに制服はあり得ない。
さて、どうしようか。
「買いにいく?」
服を買いに行くなんてめったにしない。
今の流行とかも知らない。
結局どうすべきかわからないのだ。
でもこんなダサい服ではさすがの私も歩けない。
「うん...買いに行こう。」

焦りながら服屋に行き、店員さんにおすすめを聞いて服を買った。
こんな高い服を買ったのは初めてだ。
高校生って大変だと本気で思った。