いつも通り学校生活を送っていると、放送で浩智は呼び出しをされた。
「長瀬くん、お父さんから電話よ。」
そう言われ、電話を受け取った。
「もしもし？」
「浩智か！？母さんが倒れたんだ！」
その知らせを聞いて浩智はすぐに運ばれ病院へ向かった。
運ばれた病院は浩智の父親の病院で、すぐに手術が行われた。
担当をしたのは浩智の父親である。
（親父なら大丈夫だ。）
そう思っていた。
手術から3時間後、ようやく手術を終えた。
しかし父親の顔は暗いものだった。
「親父！母さんは！？」
「...」
返事を返さなかった。
そして
「手遅れだった...」
頭の中が真っ白になった。
自分の父親が手術に失敗した。
自分は今母親を失った。
いろいろなことで頭が真っ白になったのだ。

それから葬式などを終え、浩智は学校へ来た。
しかしいつもなら自分が望んでいなくても寄ってくる人達が今日は来ないのだ。
はじめは気を使われていると思っていたがどうも違った。
そして、放たれた言葉は浩智には余りにもキツいものだった。
「お前を親父、医療ミスしたんだってな。」
「は？」
「お前の母親、心臓病だったのに誤診したって聞いたぞ。」
「マジかよ、人殺しもいいとこだな。」
次々と酷い言葉は浩智に向けて言われ続けたが浩智は何も考えられなくなった。

そして、家に着き父親に学校での事が本当かどうかを聞いた。
「どうなんだよ...」
「すまない...」
「謝れとか言ってんじゃねぇよ！本当なのか聞いてんだよ！」
それ以上父親は言葉を発しなかった。
浩智は無意識に家から飛び出した。