それはおとぎ話のように

今までだって決して不幸だったとは思わなかった。
少し口下手で、内向的で、友達もすぐにはできなかった。
保育園から小学校へ上がる時、私と同じ学校へ行く人が1人も居なかったことで小学校では完全に1人だった。
友達は欲しかったが、どうやって作れば良いのかさえわからなかった私はただ普通に1人で過ごしていた。
しかし、それを不幸だとは思わなかった。
昔から1人で遊ぶ事には慣れていた私はいざ小学校へ上がって1人だからと言って何か不自由になるわけではなかった。
それでも、保育園の時とは違い、周りの楽しそうな声を聞くと羨ましいと思うことぐらいはあった。
もし自分が人気者なら、あの輪の中に入れるのかも。
そんな想像は日を重ねるごとに強く思うようになっていたのも事実である。
実際、遠足や運動会などでは流石に1人でいるのは厳しいものがあった。
それでも友達の作り方を知らない私はただ1人を楽しむことだけを探し、考えた。
そんなある日、私の中にも光が見えたのだ。
3年生のことだ。
いつも通り1人で下校をしていた時ある女の子2人が話しかけてくれた。
「紗羅ちゃん、一緒に帰ろう!」
この一言がどれだけ私を救ったか。
嬉しかった。
言葉にならないほどに。
それからその2人と一緒に帰り、遊び、小学校生活は私の中で変わっていった。
しかし、幸せはそうは続かなかった。
6年生のときだ。
最近2人の態度がよそよそしい。
気になるが聞くことができずにいた。
私には話してくれない内容なども多々あったりしてどうしたらよいかわからなかったのだ。
その数日後、その理由を本人達から聞かされた
「最近、紗羅ウザいんだよね。」
私の中で何かが壊れたような気がした。
ウザいって何?
いったいどこが?
そんなことは到底聞けるはずもなく、また1人になった。