さて、6月。
梅雨ももう少しで来るだろうが、学生にとって最も大きなイベントと言えば...
「よっしゃー!文化祭の出し物決めるぞー!」
とまぁ、元気のよい男子の声かけと共にみんながワァーと声を上げる。
中学とは違い、高校は文化祭で店を出したりなどなどいろいろある。
さて何をするのか。
紗羅は友達はできたと言えど、基本的には内向的なことに変わりはないので何がしたいとかは基本的には言わない。
話合いをした結果、自分たちのクラスは喫茶店に決まった。
いわゆる人気者と呼ばれる人達はウェイトレス。
紗羅のように内気な子は裏で食べ物や飲み物の用意である。
紗羅が裏方ならと彩音と美咲も裏方に回った。

文化祭は当日だけでなく、準備も何かと楽しい。
道具を作ったり、飾り付けをしたり。
メニュー開発。
とにかく色んなことが楽しかった。
そしてなにより自分がクラスの中でちゃんと仕事が割り当てられそれをこなせていることが嬉しかった。

「さぁ!明日はいよいよ文化祭だ!目指せ総合優勝!」
総合優勝したところでご褒美が貰える訳ではないがやるからには全力で。
これがこのクラスの雰囲気であった。
つくづくいいクラスだと紗羅も思っていた。