「続いては2学年のオールメンバーリレーです。」 アナウンサーが喋りだした。 一走者は圭太。 「頑張ってね…」 私からはただそんな言葉しか言えない。 スタートダッシュが始まり、次々とバトンが渡される。 「まじで、あいつおっそ。」 圭太が見ているのは……。 そう私も視線を向けた。 分かっているのに…。 「ほら千尋、ちゃんと走れよ。」 私はただ頑張るしかない。