愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】


「ごめん。無理。これが最後。」


「…分かった…。」


私は夕日君に背を向けて音楽室を出ていった。


「千尋ちゃん…」

「千尋…」

「千尋…」


そこにいたのはひかるちゃんと華奈と田中君だった。


「私は私のケジメをつけてきたよ。けど……だめだった…。」


「千尋…。よく頑張ったな…。」



運命は自分でつくったもの。

高校だって夕日君と同じだ。
本当は、本当の願いは仲良く戻りたかった。

けど、もうなにもかも遅かった。
私はやっぱり弱虫のまんまだ。