愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】


どこからか音が聴こえる。

この優しいメロディー…。

私は2ーA組の教室を出て、音のなるほうへかけ走った。

無我夢中で走った。

間違いない。この優しい音。


音楽室のドアを開けると…。


「―――待ってたよ。」

そこにいたのは田中君…。
――そして、ピアノに腰掛けていたのは……夕日君。

やっぱり…あなただった。