「千尋ちゃん!いいの?夕日君…」 「そう!行かなきゃ…」 だけど…夕日君がいない。 どこにいるの? 「私が教えようか?」 理子ちゃんだ。 「花田さんの宝物が、忘れ物がある場合よ。」 私の宝物…忘れ物…。 「ありがとう!」 私の思い出の場所。 そこは4階、2ーA組。 私は1段1段足を運んだ。 ドアを開けると、静かな教室が待っていた。 その時ハッと息を潜めた。 そっか…私の… 違う…。 私が忘れた物は…形のない宝物だ。