愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】


2月10日

合格発表が始まる。

前期選抜、受けた高校の倍率は1.46倍。

自信がない。
だけど、どうか…。

3時50分、ただただ緊張がはしった。


『私は幼いときに両親を病気でなくなりました。
――――いつも1人ぼっちだった私にある日1匹の犬が家に来ました。

当時の私は7歳だったのでななと名付け、とても可愛がりました。

13年間ずっと側に居てくれたななも歳で亡くなりました。

身近で死を知ったとき、私は獣医師になりたいと思うようになったんです。

いつも動物は人間を癒してくれる。

人間は動物を愛し、動物に感謝しなければなりません。

人間にとって動物は家族のような存在です。

私は動物を支える獣医師になりたいです。』


面接はぐちゃぐちゃだ。

緊張して早口になってよく覚えていない。
何度も噛んで言葉が真っ白だった。



4時、ついに発表――――――