愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】



今は母の代わりである祖母が愚痴の様に母の言葉を言う。


ずっと泣いていた。


『いつまでも泣いたって変わらないのよ、強くなりなさい。笑顔でいなさいってお母さんに言われたでしょ?』

口うるさくて大嫌いだった。

なんで子供なのに、料理を勉強しなきゃいけないの?

なんで子供なのに、着物の着方を学ばなきゃならないの?

礼儀作法なんて疲れるのに。



『あなたの将来の為なのよ。全く、私がいないと何にも出来ないのね。』


そりゃあそうだよ。

だって何もしたくないんだもん。