愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】



母が亡くなる前によく愚痴の様に話していた。

¨笑顔でいなさい¨

私はてっきり治る病気だと思っていたからよく半信半疑で、笑っていた。

私が笑うと母もにっこりと笑う。

でも母は悲しそうな目でよく外をみつめる。


それから父は母が亡くなってから九州で病で亡くなったと聞いた。

未だに父の墓参りもできない。

どこにいるかわからないままただ亡くなった知らせしか分からなかった。


ずっと父親を待っても来なかった。



ねぇ母さん、なんで私を一人ぼっちにしたの?


ねぇ父さん、なんで私を置いて行ったの?


私には両親がいないから、愛を知らない。