愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】



バスに乗ってお見舞いをしたことを覚えている。


母が亡くなってから父が私を九州で暮らそうと引き取りにきた。

父は何度も訪れたが母の母である私の祖母は絶対に私を離さなかった。


祖母と祖父が両親の代わりに育ててくれた。

幼かった私は祖母と祖父をお母さんお父さんと間違って呼んでしまっては違うと分かって泣いていた。

寂しかったんだろう。