愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】


「私の祖母と祖父が私の両親なんだよ。」

複雑だけど、本当なんだ。

「…ごめん、なんか余計なこときいて…」

「大丈夫、気にしないで。」


父も母も病気で私が幼いときに他界した。
今は祖母と祖父が両親の代わりになっている。

亡くなった両親との思い出はそんなにない。

幼い頃から母は病院で寝込んでいたからだ。