愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】


「うち、家に両親いないんだ。今はおばさんと2人暮らし。お母さんは元々いなくてお父さんはもう別の人と結婚して子供もいて別居だし、お姉ちゃんは随分前に独立して家族もいるんだ。」

ひかるちゃんのこと初めて知った…。
私も…。

ふと蘇る昔の記憶。



「親に見捨てられたんだ。保護者はお父さんだけど、今までのイベントとかもおばさんで…卒業式も来てくれるか分かんないの。来てほしいって思うんだけど、なかなか言えなくて。お父さんからいつも言われてばっかりで辛いの。」

そうだったんだ…。

「だから、同じじゃないけど辛いのは一緒だよ?おばさんも面倒見きれないって話してたの。うちも居場所がない迷子なんだ。」

「私はひかるちゃんの側にいるよ。ありがとう、話してくれて。」