愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】


「おはよう千尋ちゃん、」

「おはよう、ひかるちゃん」

「……大丈夫?」

「うん…」

「うちも千尋ちゃんの席だったら最悪って思う。」

「うん。」

私はただ頷いた。


「千尋…ちゃん…それ…どうしたの…?!」

髪を耳にかけた時だった。
ひかるちゃんが私の手の甲を見て眉を潜めた。

「…ずっともしかしたらって思ってたの。…いや…でも…千尋ちゃん…夕日君が…好きなの?」