「んじゃ、移動しろー」 立ち上がり、机に手を掛けた。 夕日君の手に視線を落とす。 ―――机が離れた。 現実。 ついにその時現実を見た。 「おぅーし、受験勉強頑張れよお前ら!」 ――――影山先生なんか嫌いだ…。 私は廊下側の一番端の一番後ろ。 ―――夕日君は…夕日君は… 窓際の一番端の前から2番目…。 あはは…遥か遠くじゃん。 凄い離れちゃったな。 全然前の人が背が高くて見えないや。 黒板も…夕日君も…。