愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】


「んじゃ、移動しろー」

立ち上がり、机に手を掛けた。

夕日君の手に視線を落とす。

―――机が離れた。

現実。
ついにその時現実を見た。

「おぅーし、受験勉強頑張れよお前ら!」

――――影山先生なんか嫌いだ…。

私は廊下側の一番端の一番後ろ。

―――夕日君は…夕日君は…

窓際の一番端の前から2番目…。

あはは…遥か遠くじゃん。

凄い離れちゃったな。

全然前の人が背が高くて見えないや。

黒板も…夕日君も…。