「圭太、ちゃんと千尋送っていくんだよ!」

「やだし」

「千尋、ちゃんと圭太について行くんだよ!はぐれないようにね!」

さゆりと奈美、私と圭太は帰り道が反対。

さゆりと奈美が手を振って帰った。

私はさゆりの言葉にこたえるかのように圭太の後ろをついていった。


「ここ分からないの?」

「全然」

「はぁ…よく来れたな。」


暮れる夕焼けが圭太の背中を照らす。

追えない背中、圭太の影は手を伸ばせば届きそうだった。