『大切なもの?よくそれで大切にしてるって言えるね。』

急に目付きが変わった。

笑っている。だがそれが余計に怖い。

『こんなもの何のために―――』

『やめっ…―――!!』


理子ちゃんは橋から用水路に向かって大きく腕を降った。


『…っ―――』

言葉も出なかった。

そして涙が溢れだした。

夕日君の…夕日君からもらった…大切な…大切な物が…流れる水と共に消えた。