「こらー、席つけー。」

影山先生が教室に入ってきたと同時に本鈴がなった。

私は席に座った。

あの日から上手く話せていない。

余計な考え事をしてしまうのだ。


ずっと夕日君の事で頭がいっぱいだった。

私は知らない。夕日君のこと。

私の知らない夕日君の世界―――。

「柴田、次はどの席希望してる?」

「そうですね…。前の席ですかね。」

「そうか。佐藤はどうだ。」

そうだった。今この席もあと何日後に席替えをするんだ。

ただ偶然になっただけだよ。

なんで隣になったのかな…。