愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】


「おはよう、華奈。」


「おはよう千尋、勉強した?」


「また証明問題で躓いて…」


「じゃあそこ放課後教えるね」

「うん…!」


夏休みが終わり、今日からまた学校が始まった。

廊下をすれ違う。

ただ、それだけだった。

怖かった。

今じゃもう、私から圭太を避けるようになっていた。