愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】


時間は立って行く一方だった。

不意に窓を覗く。

窓越しに見た圭太の後ろ姿。

どうしてこんな関係になってしまったんだろう。


「千尋、」

「ん?」

「圭太、帰ったよ。大丈夫。」


帰ったのか…。もう、大丈夫か…。

もう大丈夫なんだ…よかった。



それから数分経った頃だった。

私達の前に現れた彼女。

私は最低な事を考えてしまった。

皮肉な事を言ってしまったのかな。


頭がおかしくなった。