「皆、好きな人いる？」

「いなーい…」

「もぉ、奈美！話聞いてよ！」

そう言って頬をふくらませた。

「言いたいなら言えば良いじゃん。」

「ごめんごめん、聞くよ！」

私と奈美の態度に拗ねたさゆりに結局話を聞いてあげることにした。

「えっとねー…K君」

「k君？いっぱいいるんだけど」

真っ先に頭に浮かんだ。
――――…¨加藤圭太¨。

私はその人じゃないことを祈った。

「加藤圭太しか頭にないなぁー(笑)」

「え、狩野君だと思ったー」

ねぇ、誰なの？さゆり……。