これから先どうしようかと考えながら無言で歩いている時、あたしの視界にネットカフェが見えた。


商店街の真ん中あたりに立っている比較的大きなお店。


あたしはその前で立ち止まった。


「ねぇ、実紗」


「なに？」


「この前実紗の代理でバイトに出たのを覚えている？」


「うん。覚えてるよ。あ、お礼を言い忘れてたね」


「お礼なんていいの。その日は良子さんがバイトに出ている日でね、あの人有里と同じで派手系な人だから何か知っているかと思って。


彼氏人形についてそれとなく聞いてみたの」


あたしの話を実紗は少し不安そうな表情をして聞いている。


「良子さんは彼氏人形のことを都市伝説みたいなものだって言っていたの」


「都市伝説？」


「そう。良子さんの学校の１年生が彼氏人形を購入してしばらく経ってから、変死したって噂があるんだって」


「変死！？」