彼女は 私に『ありがとう』と言った


どうして?なぜ私なんかに?

朱里さんは ゆっくりと口を開き

「彼のそばにずっといてくれて。

彼が自慢げに褒めてた あなたの歌を

聞かせてくれて。

ありがとう。」


その言葉を 耳にしたのを最後に

私は意識を失った