空を見上げ僕は歌う。


藤虎はフッと口元を緩ませた

「風華、覚えてるか?

ここで初めて会った日のこと。

桜が月明かりに照らされてて

......すげー綺麗だったなー。

しかも桜の木の下から聞こえる歌!

だけど 歌声だけで分かった。

こいつは『同じ』だ。



俺と『同じ存在』なんだって。」


あの日は 星一つない空だった

だけど 雲で隠れていた満月が現れ

それと同時に 藤虎に出会った