「千夏だけが嫌ってわけじゃないだろ?それに、俺らは生徒だ。理事長には逆らわない…それがルールだ」
英匙の言葉には、何か威圧感っていうか、逆らえなくさせるっものがあると思う。
現に、作楽が何も言えなくなった。
英匙の怖さは、一緒にいる俺らが一番わかってる。
だから下っ端でも幹部でも、逆らおうとする奴なんかいない。
稀にいたとしても、それは相当な事情があったり、やばい奴だけ。
黒髪に眼鏡だしひ弱にしか見えねーし、勉強もできるから尚更怖そうには見えない。
外見だけだと。
「ソロソロ、じゃないですか?」
「もうそんな時間か」
せっかく収まった殺気がまたムンムンと漂ってきた。
転校生と俺らが仲良くなること…することは、天地がひっくり返ってもなさそうだ。



