「随分な偏見…。話せない、もしくは話さないとでも思いましたか?話すことぐらいできますよ。人間ですし」
英匙を真似たようなその話し方は、余計に奴を苛つかせるだけで、冷静な判断などできそうにもなかった。
俺も止められそうにない。
多分、トップなら一言だけで黙らせるんだろうが。
「言いたいことがあるなら言ってくれませんか。遠回しに伝えてもお互いにいい事はないでしょう」
「…そうでしょうか」
「少なくとも俺にとっては、とても不愉快です」
その時十六夜が呆れたような、諦めたような表情をみせた。
「なら話しかけなければいいでしょう。私の記憶では、そちらが突っかかってきたんですよ」
英匙が黙り、誰も十六夜に反論しようとは思わなかった。
そんな俺らを一瞥した十六夜は、首を軽く横に振り、自分の机へと近付いていく。
英匙は悔しそうに顔を歪めている。
それもそうだ。
プライドの高い英匙は人に馬鹿にされることを極端に嫌う。
少しでもプライドが傷つくと、相手に容赦ない反撃をする。



