「エンジン、切って待ってて。用意してくるから」


出かける準備を整えて…シルビアに乗り込んだ。


「…どこに行くの?」


警戒心をむき出しにして聞く…

また強引に …そう思うと、今すぐ 飛び降りたくなる…


でも、和也は 私が乗るとすぐにシルビアを出して…ずっと無言で 走り続けているだけで……


3年振りのシルビアを、自分のクルマの様に スムーズにシフトチェンジして…


この数日、相当 乗り回したんだろうな…

車内が…あの頃と 同じ匂いになってる…


私と…和也の…混ざり合った匂い


強ばった心と身体が ほぐれてしまいそうで…


…いやだ…と 俯いた時、シフトレバーを握る 和也の手を見てしまった…