「おっ!…びっくり、あの澪が…」


出来上がった料理を一口食べて ハル兄が言う


「どう? やればできるでしょ?」

「うん。美味い。…あの澪がねぇ」

「さっきから あの澪が あの澪がって…
どの澪の事 言ってるの?!」

「だって…俺 初めてお前が焼いた
クッキー食べて、差し歯 取れたんだぜ?
…軽く トラウマになるだろ?」

「小学生の時の話でしょ?…そんな事言ったら私だって…ハル兄原因の トラウマあるもん!…小学生に…あんなの見せて…」

「うわー!…わかった!俺が 悪かった!
美味い!最高、な 洸太君!」



私と ハル兄の やりとりを 初め呆気に取られて見てた洸太が 笑ってる…



洸太…私、もう演技するの、やめる…
ありのままの…私を見て…