でも…これ以上は…と思った時、肩に入っていた力が抜けて その隙に 後ずさり…



洸太と 距離をとった…



イスに置いていたコートとバッグを取り…



「さようなら」と 呟いて…部屋を出た…



洸太は 追っては来なかった…




洸太の力が弱くなったのは…痛みに耐える私の為なのか、ただ 脱力したのかは…
わからないけど…



たぶん 前者だ…と思いながら 家を出て…待っていたハル兄のクルマに乗り込んだ…




いやだ…行かないで…澪…行かないで…




ごめんなさい…ごめんなさい…洸太…



頭の中に響く…洸太の悲痛な叫びに…

涙が 枯れるまで 泣いて…謝り続けた…