「…ちゃんと 言えるな?」
ホテルから出て、家は すぐそこ。
シルビアで 和也が待ってた場所まで
帰ってきた。
「お前が ちゃんとケリつけられるの 待ってるから…それまで 電話しない。
澪…強くなって。俺、待ってるから」
和也は わかってる…
私が 言えない事…
つらい事から逃げる事…
和也を待てなかったのも…結婚したのも…
逃げたから…
洸太の事、愛そうとしたのも…
和也を忘れたかったから…
赤ちゃんの為に それが楽だったから…
それを乗り越えろって 言ってるんだね…
…乗り越えたい。強くなりたい。
だって…どれだけ逃げても 和也の事しか考えられないって わかったから…
強くならなきゃ 和也の元に行けないなら
強くなる…なりたい。

